お墓の購入の際、どのような墓石を選べばいいか悩まれる方も多いでしょう。今回は、代表的な墓石の種類について解説します。
一般的な墓石、石材の種類に加えて「故人への最後のプレゼント」として特徴的な光り墓についても紹介するので、墓石を選ばれる際はぜひ参考にしてみてください。
3つの墓石の種類
墓石には大きく分けて、和型・洋型・デザイン型の3種類があります。それぞれの特徴や費用の相場、どの形に人気があるかを詳しくみていきましょう。
和型
江戸時代から続く一般的な縦長の墓石です。お釈迦さまの遺骨を祀る仏舎利塔(ぶっしゃりとう)が原型とされ、竿石・上台・中台・芝台(下台)及び付属品から構成されます。
竿石の横幅によって八寸角(約24cm)・九寸角(約27cm)・尺角(約30cm)などのサイズに分けられ価格が異なります。なかには、特徴的な形状をもつ和型墓石もあります。
一般的な価格は数十万から200万円程度で、値段は墓地のスペースや墓石の大きさ、種類によって決まります。
大名墓
竿石に屋根を被せたような形態の墓石です。
五輪塔型
自然界の5大要素を意味する5つの部分をもつ塔のような墓石です。
大名墓も五輪塔型も元々は有力者を弔うためのものでした。和型墓石は伝統的なお墓を好まれる方やお寺との結びつきが強い地方で人気があります。
洋型
洋型は近年増加してきた欧米タイプの墓石です。和型よりも横長で背の低い形状で、外国の映画に出てくる墓石のイメージに近く、和型と同様に特徴的なものが多数あります。
洋型墓石はモダンな外見から都市部を中心に人気があり、費用は数十万から200万円程度と和型とそれほど変わりません。
オルガン型
オルガン型は前面の名前を彫る部分が傾斜しているタイプです。楽器のオルガンに似ているため、この名がつけられました。
ウォール型
ウォール型は洋型の竿石(さおいし)を縦長にしたタイプで、スペースを節約したい都市部の霊園によく見られます。
プレート型
プレート型は芝生の上に名前や文字を刻む石のプレートを直接埋め込むタイプで、使用する石材量が少ないので費用が安価になります。
デザイン型
伝統的なお墓とは異なるオリジナルのデザインをもつ墓石で、ガラスや違う種類の石材を使ったり、個人の趣味を反映したものなど多くの種類があります。
ガラスを使用したもの
色ガラスを散りばめたり、墓石全面をガラスにする事もあります。お墓全体が明るい印象になります。
異なる種類の石材を使用したもの
2色以上の異なる石種を組み合わせたタイプです。
彫刻を使用したもの
墓石にオリジナルの文字や絵柄、立体的な彫刻を施したタイプです。通常の和型・洋型の墓石を低価格でデザイン墓石に変更できます。
ユニークなデザインのもの
墓石全体をユニークな形状にデザインしたタイプ。ピアノや本など故人をイメージしたものが多いです。
種類によっては高額になるデザイン型ですが、お墓を自分らしいものにしたいと願う方から人気を集めています。
代表的な石材の種類
お墓に使われる石材は300種類以上におよび、それぞれ価格や特徴が異なります。
代表的なものとして以下の4つを紹介します。
花崗岩(御影石)
花崗岩(かこうがん)は火山から生まれる岩石で、マグマが地下でゆっくりと冷やされてできる深成岩の一種です。高密度で耐久性が高いのが特徴で、墓石をはじめ建物の外壁や石垣などさまざまな場所で使われます。
墓石によく使われる御影石は、実は花崗岩のことを指します。
御影石は石質や色、艶ともに墓石としては最高級の石材で、日本のお墓では主流になっています。吸水性が低く雨にも強いので墓石向きといえますが、高熱や高温には弱く、火の傍にあるとひび割れを起こすことがあります。
安山岩
安山岩(あんざんがん)は二酸化ケイ素を含んだ火山岩の一種で、噴火したマグマが外気によって急速に冷やされたときにできる岩石です。通常の石よりも硬さがあり、風雨や紫外線にも強く、長い期間、外気にさらされても劣化が起きにくいため墓石としてよく用いられます。
ケイ素の量が少ないため淡い灰色をしていて、小さな粒が混ざりあってできる斑点模様が特徴です。色や斑点の有無にバリエーションがあるので、自分の好みにあった石材を選べます。
閃緑岩(黒御影石)
閃緑岩(せんりょくがん)は、花崗岩と同じく、マグマが地下でゆっくりと冷やされてできる深成岩の一種です。花崗岩より黒っぽい色のため、斑レイ岩とともに黒御影石と呼ばれることがありますが、閃緑岩は斑レイ岩と比べて、より薄い黒色をしています。
硬くて雨風に強く、劣化しにくいだけでなく、光沢をもち高級感があるため、墓石に適した石材です。日本国内では産出量が少なく、岡山県の矢掛青石のように国産の閃緑岩はトップクラスの高級石材です。
斑レイ岩(黒御影石)
班レイ岩(はんれいがん)は花崗岩や閃緑岩と同じ深成岩の一種で、閃緑岩とともに黒御影石と呼ばれます。黒またはグレー系の色合いをしており、中に含まれる成分の違いで閃緑岩と区別されます。
磨いたときに光沢が出やすく、風化に対しても強いことから、墓石としてよく使われます。
代表的な斑レイ岩には、スウェーデンのファイングレーやインドのクンナム、福島県の浮金石、中山石などがあり、どれも希少価値が非常に高い最高級石材として知られています。
墓石選びで見るべきポイント
実際に墓石を選ぶとき、どこを見て何を基準にすればいいのか、迷う方は多いでしょう。
続いては墓石選びで失敗しないためにチェックすべきポイントを解説します。
吸水率
墓石は数十年にわたって雨風に触れるため、吸水率が低くて水に強いものを選ぶ必要があります。石がどれだけ水を吸い込むかを示す数値を吸水率といい、低いほど雨に対する耐久性が高くなります。
石の表面には無数の細かな隙間があるため、吸水率が高いと雨などが侵入し、色や艶を劣化させたり、ひび割れを起こしたりする恐れがあります。
色やキメ
墓石選びでは色やキメの細かさも大切なポイントです。
石材の色というと、黒や灰色などをイメージする方が多いと思いますが、墓石には赤や青、白、黄、緑、茶色など実にさまざまなバリエーションがあります。
キメは細かいほうが美しいといわれることもありますが、好みにもよるので、気に入ったものを選ぶといいでしょう。ただし同じ石種の場合、キメが細かい石材ほど値段が高くなる傾向にあります。
素材や形
墓石は、石材の種類や形、産地などによっても性質や価格が変わってきます。
今回紹介した4種類の石材も、どれを選ぶかで硬度や耐久性、吸水性が異なります。
また、同じ御影石類でも外国産の石種は比較的安価とされ、国内産の石種はブランド力のある高級石材が多いです。しかし石材は安いからといって必ずしも品質が低いとは限りません。
墓石の形も基準の1つで、デザイン型はもとより、和型・洋型ともに特徴的なものがあり、好みに合わせて選べます。
墓石を選ぶときの注意点
墓石の種類や見るべきポイントを紹介してきましたが、墓石選びでは、ほかにも気をつけなければならない点があります。ここからは、上記で紹介しきれなかった、墓石を選ぶ際の注意点についてみていきましょう。
石見本だけで墓石を決めない
墓石を選ぶ際は、石見本のみで石を決めないようにしましょう。石見本とは、石材店などでサンプルとして見せてもらえる小さな石のプレートのことです。墓石選びでは、通常石見本を参考にする場合が多いのですが、サンプルだけで石材を決めてしまうと、実際にお墓を建てたときにイメージと異なる可能性があります。
石は自然から採れるものです。そのため、切り出した面によっては色の濃さや模様などが石見本と異なり、完成したお墓がイメージと合わないケースが出てきます。墓石選びでは、石見本通りに出来上がるとは考えず、依頼先の石材店で、実際に希望の石材で建てたお墓を見せてもらってから判断すると良いでしょう。
経年変化した石の状態も確認する
墓石の候補になる石が見つかったら、石材店に頼んで経年変化した状態も確認させてもらいましょう。墓石は屋外で長年風雨にさらされるため、きちんとメンテナンスをしていても、経年による見た目の変化が出てくるのは避けられません。
経年変化を味わいが出てきたと捉える人もいれば、劣化したと感じる人もいるため、時間とともにどのような状態になるかをあらかじめチェックしておくことが大切です。石によっては、思っていたよりも早く変化が起きてしまい、お墓が当初のイメージと異なってしまうケースもあります。
建てた後で「希望していたものと違った」とならないよう、経年変化した石の状態を見せてもらい、どれほどの時間の経過で、どう変化していくのか確認しておくと安心です。
信頼できる石材店を見つける
墓石選びでは、信頼して任せられる石材店を見つけることも大切です。石材店によっては、こちらの話をよく聞かず、一方的に話をまとめてしまう業者もいて、イメージと違ったお墓になって後から後悔してしまう可能性があります。
石材店選びでは、「地元だから」「有名だから」だけでなく、納得いくまできちんとヒアリングしてくれるところを選ぶようにしてください。寺院や民間墓地で石材店が指定されている場合を除いては、1つの会社だけで決めるのではなく、複数の石材店に相談して信頼できそうな業者を選ぶようにしましょう。
墓石を長持ちさせるためのコツ
お墓を長く美しい状態に保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。墓石は経年変化していくものとはいえ、しっかりと掃除や手入れを行えば、長くきれいな状態を保てます。ここからは、墓石を長持ちさせるためのコツを紹介していきます。
こまめにお参りや掃除を行う
墓石を長持ちさせたいと思ったら、基本的にはこまめにお墓参りや掃除を行うことが大切です。墓石が汚れてしまう原因は、日陰や風通しの悪い場所に発生するカビやコケ、濡れる場所に現れる水垢や黒ずみ、落ち葉やお供え物の付着によるシミなどさまざまですが、いずれも早めに手入れをしたほうが落としやすくなります。
また、日ごろからこまめに掃除をしていると、お墓をきれいに保てるだけでなく、小さなヒビや欠けなどに気づけるようになるのもメリットです。お墓のヒビ割れを放置していると、大きな亀裂に発展したり、隙間から雨水が侵入して墓石の劣化を早めたりする恐れがあります。しかし、早期発見できれば軽微な修理で済ませられるでしょう。
必要に応じて専門業者によるメンテナンスを行う
頑固な汚れがある場合は、必要に応じて専門業者に依頼しましょう。墓石の汚れには、水洗いだけでは落とせない汚れが付着することもあり、自分だけで対処しようとするのはあまりおすすめできません。
なかには、タワシでこすってお墓に傷をつけてしまったり、墓石用ではない洗剤を使って逆にシミを作ってしまったりする方もおられます。定期的に掃除していても落とせない汚れやシミなどに関しては無理をせず、お墓のクリーニングやメンテナンスを行っている専門業者に相談してみてください。
墓石の費用を安く抑える方法
お墓は通常、安いものでも100万円を超える高額な買い物です。墓石にかかる費用をできる限り安く済ませたいと思う場合、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。続いては、墓石の購入費用を安く抑える方法を紹介します。
シンプルなデザインにする
墓石の費用を安く済ませるためには、お墓のデザインをできるだけシンプルにしましょう。墓石の価格は、大きさや石の種類だけでなく、加工の手間によっても変動します。そのため、複雑なデザインを選ぶと、加工にかかる工程が増えて、価格が高額になってしまいます。
墓石の値段を抑えたいなら、凝ったデザインは避けて、加工に手間がかからないものを選ぶのが良いでしょう。もし、周りと違うお墓を建てたい場合は、ガラスなど別の素材を組み合わせて個性を出すのも1つの方法です。たとえば、ガラスが入っていれば、石材に複雑な加工をしなくても、キラキラと輝きを放つ特別なお墓になるでしょう。
産地にこだわらず質の良い石材を選ぶ
墓石の価格を抑えるなら、産地にこだわらず、安くて質の良い石材を探してみてください。石材の価格は、品質に直結するわけではなく、産地や希少性によって値段が高い場合もあります。
一般的には、国産墓石は高額で、中国産など外国産墓石のほうが低価格です。しかし、必ずしも、高い石材なら丈夫で質が良いわけではなく、安い石材だからといって低品質と決まっているわけではありません。
安くても質が高くて頑丈な石材を選べば、良いお墓を建てることができます。費用を抑えたい場合は、一度石材店に相談してみましょう。
複数の石材店から見積もりをとる
同じ石でも、石材店によって価格が異なる場合があるため、墓石を購入する際は、複数の業者から見積もりをとるようにしましょう。
1社だけでは高いのか安いのか判断できないため、石材店を決める場合は、必ずいくつかの業者を比較するのがおすすめです。複数の石材店から見積もりをとれば、どこが一番安いのか、最安値がわかるようになります。
最近は、ホームページで墓石の値段がわかる石材店も多くなりました。価格を公開していない業者でも、問い合わせをすれば、ほとんどの石材店では見積もりを出してくれるでしょう。インターネットなどを活用すれば、地元の業者だけでなく、全国の石材店の価格やデザインを比較できます。
ガラスのお墓「光り墓」でも、インターネットでのお見積りや資料請求を受け付けています。墓石の購入を検討されている方は、ぜひ活用してみてください。
お見積り・問い合わせ・資料請求はこちらから
墓石の種類に関するQ&A
墓石の種類について説明してきましたが、上記では紹介しきれなかったものもあります。
最後に、墓石に関するさまざまな疑問点にQ&A形式で答えていきます。
Q1.墓石のランクとは何ですか?
墓石にはランク分けをしている石種があり、同じ石種でもランクによって販売価格が変わります。
石種のランクには「極上」「特級」「上級」「一級(一等)」「二級(二等)」などがあります。
色の濃淡やキメの細かさなどを基準に採石業者によって決められ、ランクが上がるほど価格も高くなります。
ただしランクはあくまで業者の基準であり、統一された審査機関などは存在しないため、目安の1つと考えておくほうがいいでしょう。
Q2.墓石の価格・お墓の値段はいくら?
墓石にかかる費用には大きく、石材自体の価格、墓石の加工費、墓地にお墓を据え付ける工事費の3つがあります。
石材の価格は墓石のタイプや石種によって異なりますが、一般的には数十万~200万円程度とされます。
高級石材を使用したり、加工のときオリジナルの凝ったデザインにした場合には高額になります。ほかにも、お墓を建てる際は、墓地に対して使用料や管理費なども支払う必要があるので注意が必要です。
お墓にかかる費用の詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Q3.特徴的な墓石でおすすめは?
特徴的な墓石の1つとして紹介したいのが、ガラスの墓石「光り墓」です。
アートガラスで作られた墓石は名前の通り、光を放つように明るく、デザインのバリエーションも豊富で故人のイメージに合ったものを選ぶことができます。
ガラスと聞くと割れやすそうなイメージですが、「光り墓」は薄いガラスを何層にも重ねて熔解後に冷やし固めできているため一般的な墓石と同じ様に硬く、風化・劣化しにくい特徴をもっています。故人への思いを込めた最後のプレゼントとして最適な墓石といえるでしょう。
Q4.外柵と墓石の色は変えるべき?
外柵と墓石の色を変えるとお墓がより引き立つため、現在では変えるのが一般的ともいわれていますが、実際には、同じ色でも、変更して別々の色にしても、どちらでも問題ありません。
外柵と墓石で違う色にする理由としては、地域性の問題や予算の関係から同じ色の石種が使えず、結果として違う色になってしまうケースなどがあります。いずれにしても、絶対に変えなければならないルールはないため、どのようなデザインのお墓にしたいかを考えて同じ色にするか、別々にするかを決めてください。
色を変える場合は、大事な墓石に黒やダークグレーなど濃い色を使って目立たせ、外柵は薄めのグレーなど控えめな色にすると全体のバランスが良く見えるでしょう。
Q5.宗派によっては墓石の色に決まりがある?
日本の仏教は宗派によってさまざまな違いがあるものの、墓石の色や形に関しては原則として自由です。
お墓については、宗旨や宗派ごとに独自の決まりや作法、しきたりがあって、戒名や法名など、墓石に刻む文字は異なる場合があります。しかし、墓石の色・形まで指定されるケースは少なく、基本的には好きなお墓を選択できると考えて問題ないでしょう。
近年では、個性的なデザイン墓石の人気も高まっており、外観からも故人の面影を感じられるようなお墓が増えています。
故人への最後のプレゼントは「光り墓」
墓石は和型・洋型・デザイン型の3種類に分けられ、使用される石材は数百種類もあります。それぞれ外見や価格が異なり、選択肢が多いため、墓石選びに悩まれる方も多いようです。
価格をもとに決めたり、定番のものから選ぶ方法もありますが、お墓は一生に一度あるかないかの大きな買い物ですし、「故人へ最後のプレゼント」にもなるものですから、想いを込めて「光り墓」のように、ほかにはない墓石を選ぶのもおすすめです。
ガラスの墓石「光り墓」は、墓石としての耐久性も高く、デザインも豊富で故人にぴったりのお墓を贈れます。
お墓のイメージを変えるような明るさをもつ「光り墓」は、故人へ想いを贈る「最後のプレゼント」として、なによりのものといえるでしょう。
光り墓についてさらに知りたい方はこちらをご覧ください。