突然やってくる大切な家族との別れ。葬儀やさまざまな手続きが終わると考えなければならないのが、お墓についての問題です。できれば、より故人に合った、故人らしい供養方法を選択したいと考える方も多いでしょう。
この記事では、お墓選びの参考となるよう、代表的な供養方法から墓石の人気デザインまで、さまざまなお墓の種類を紹介していきます。
お墓の種類も多種多様に変化!代表的な供養方法の種類
現代では、伝統的な墓石だけでなく、お墓の種類も多種多様に変化しており、納骨堂や永代供養墓、樹木葬、手元供養、海洋散骨など、さまざまな供養方法が普及しています。代表的な供養方法の種類と特徴についてみていきましょう。
一般墓
多くの方がお墓と聞いて思い浮かべる昔ながらの形式です。墓石には「○○家之墓」などが刻まれ、建てた墓石が代々引き継がれていきます。
基本的に納骨室(カロート)は、墓地の費用を支払う限り使い続けられるのが特徴です。一般に普及している方式のため、親族からも受け入れられやすいでしょう。
最近では、従来のベーシックな墓石だけでなく、故人の趣味などを反映した個性的なデザインのお墓も増えており、伝統に加えて現代的な要素も取り入れられています。
一方で、少子高齢化が進む現代においては承継者不足の問題があり、継いでくれる親族がいなくなれば無縁仏になってしまう可能性がある点には、注意が必要でしょう。
納骨堂
屋内に設けられた保管施設の納骨スペースに、骨壺に入れた遺骨を安置する供養方式です。普通のお墓を建てるより安価に済む場合が多く、都心部を中心に近年増加しています。
室内にあるため、天候や季節を気にせずいつでもお墓参りができる点や、駅から近く通いやすい場所に多いのもメリットです。
納骨堂には、ロッカー式や仏壇式、位牌式、棚式、自動搬送式(マンション型)など、さまざまな種類があります。1人用や夫婦、2世代などプランも豊富で、現代のライフスタイル変化に合ったお墓といえるでしょう。
一般的には永代供養が付属しており、跡継ぎがいなくなっても使用できますが、一定期間経過後に「合葬墓」へ移動される場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
永代供養墓
墓地や霊園の管理者が、遺族に代わって遺骨を管理する供養方法です。永続的に管理と供養を受けられるため、お墓の承継者がいなくても心配がいりません。そのため、身寄りのない方や子どものいない方に利用されるケースが多い形式です。
また、最初に一括で費用を納めるところが多く、定期的に管理費などを支払う必要がないためコストも抑えられます。一方で永代供養墓では、遺骨は一定期間が過ぎると合祀されるため、その後は個人の遺骨を特定できません。
後から他の供養方法に変えようとしても、遺骨を取り出すのは不可能です。他人と同じ墓に入るため、人によっては家族や親族からの理解が得られない場合もあるかもしれません。
樹木葬
自然葬の一種で、植えられた樹木や草花を墓石の代わりにして遺骨を埋葬する供養方法です。樹木葬には、1つの大きな樹木の下に合同で埋葬する方式や個別の区画に樹木を植える方式などがあります。
基本的には永代供養のため跡継ぎの心配がなく、一般墓より費用を抑えられるのがメリットで、近年人気を集めている供養方法です。
自然の下で眠れる点に魅力を感じる方も増えていますが、一定期間後に遺骨を合同墓に移動させる墓地も多く、後から遺骨を取り出せなくなる可能性がある点には注意しましょう。
手元供養
お墓に埋葬するのではなく、自宅などで遺骨の全部、もしくは一部を保管する供養方式です。比較的新しい方法ですが、跡継ぎの心配がなく、お墓・仏壇のない家庭が増えたため人気が高まっています。
遺骨をそのまま保管するのはもちろん、一部を粉砕してパウダー状にし、アクセサリーなどにおさめる方法はさまざまで、形式にとらわれない自由さも魅力の1つです。
故人をいつでも身近に感じられるのは大きなメリットですが、親族以外の友人・知人などが気軽にお墓参りできなくなる点はデメリットといえるでしょう。
海洋散骨
粉砕した遺骨を海に撒く方式で、お墓に対する考え方の多様化に伴い、新しい供養方法として注目されています。特に生前から海が好きだった方に人気があり、散骨により自然に還してあげられるのも魅力といえるでしょう。故人自らが希望する場合もあります。
ただ、親族のなかには海洋散骨に対する知識がなく、抵抗を感じる方がいる可能性もあるため、実施の際には事前に埋葬方法についてよく話し合っておくようにしてください。
供養方法を決めるときのポイント
供養方法を選択する際には、まずお墓の管理をする人がいるのかを考えましょう。伝統的な一般墓には、代々使用できるメリットはあるものの、お墓を引き継ぐ人が必要です。
管理してくれる子どもや親族などがいない場合は、永代供養が可能な永代供養墓や樹木葬、散骨などを選んだほうが安心できます。反対に、先祖代々のお墓を守っていきたい場合や他人の遺骨と一緒に納骨されるのに抵抗がある方は、一般墓を選んだほうがいいでしょう。
現代では、伝統的なお墓だけにとどまらず、さまざまなスタイルの供養方法が登場しており、自分や親族に最も合っているお墓を選ぶことが大切です。どのような方法で故人を供養したいか、また、自分が埋葬されたいかを考えて供養方法を選択するようにしましょう。
納骨される人によって異なるお墓の種類と特徴
さまざまな供養方法のなかでも、一般墓は昔から最も普及してきたお墓です。一般墓のなかでも、誰が納骨されるかによって呼び方が違い、特に最近では多様なスタイルに合わせたお墓が出ています。
ここからは、納骨される人によって異なるお墓の種類と方法をみていきましょう。
家墓
一族で代々引き継いでいくタイプのお墓で「累代墓」とも呼ばれます。本家や長男が承継していくケースが多く、一般的なお墓のほとんどは家墓となっています。
先祖代々の墓を守り続けていくため、後継のお墓を探さなくても良く、入るお墓がないといった心配もありません。1つのお墓に埋葬できる人数も多く、祖父母や両親など親族のお墓参りが一か所で済むため移動の負担も少なくなります。
しかし、長男が家を継ぐ習慣が廃れ、核家族化が進む現代では、将来の管理者がいなくなってしまうかもしれないことがデメリットです。最近では、永代供養付きの場所も増えているため、不安がある場合は管理者がいなくなっても問題のない墓地を選びましょう。
両家墓
名字が異なる2つの家の親族を一緒に埋葬する形式で、ひとりっ子同士で結婚した際など、夫婦どちらかの実家のお墓が維持できなくなった場合に両家の墓をまとめて承継するお墓です。
両家墓への埋葬方法は2種類あります。1つ目は、1区画内にお墓を2つ建て、それぞれの親族を埋葬する方法です。2つ目は、お墓を1つだけ建て、両方の家の遺骨を納める方法です。お墓を2つ作ると費用も高くなるため、後者のように1つにしてしまうケースのほうが多いかもしれません。
お墓を絶やさずに済み、墓参りも一か所で良くなるメリットがある反面、墓地によっては両家墓が建てられないところがあったり、宗派の違いから、どちらかの家が改宗しなければならない場合がある点がデメリットといえます。
個人墓
個人で入る1人用のお墓で、家や承継の問題にとらわれず、自分らしいものを自由に建てられるのが魅力です。自分が入ってしまうと面倒を見てくれる人がいないため、管理に関しては、お寺や霊園に半永久的な供養である永代供養をお願いします。
そのため、樹木葬など、もともと永代供養がついているタイプと相性の良いお墓です。おひとり様用プランを提供しているところも多いので、さまざまな墓地を探してみると良いでしょう。
生前予約した場合は、きちんと埋葬してもらえるよう、あらかじめ親族など周囲にお墓のことを知らせておきましょう。個人墓のデメリットとして、お墓が多くなるので、親族がお参りする場所が複数箇所になってしまう可能性があります。
夫婦墓
夫婦2人だけで入るお墓です。現代では一族で使用する家墓が普及していますが、実は日本ではもともと夫婦墓や個人墓のほうが一般的でした。
最近は、結婚しても子どもを持たない夫婦が多くなっているため、夫婦墓の需要が増加しています。また、夫婦だけでなく親しい友人同士で入る墓もあり、友人墓といわれます。
一般墓と同じタイプも選択できますが、個人墓と同様に管理者がいなくなる可能性が高いため、夫婦墓や友人墓では納骨堂や樹木葬など永代供養付きのものを選ぶのが一般的です。
共同墓
友人や同じコミュニティなど、家族ではない複数の遺骨を納めるお墓です。同じ宗教の信者同士で共同のお墓に入ったり、老人ホームでお墓を建てて入居者の供養を行ったりする場合があります。
供養先の決まっていない方や1人でお墓に入るのが寂しい方には向いているでしょう。ただ、墓地の多くはお墓には親族しか入れないと定めているため、建立場所が限られます。また、設立した団体が無くなると維持できなくなる可能性がある点にも注意が必要です。
石材や形などお墓のデザインを決めるときのポイント
どんな場所にどのような種類のお墓を建てるかが決まったら、今度はお墓の形やデザインなどを決めていきましょう。墓石の材質や費用など、お墓の形やデザインを決める際のポイントについて解説します。
材質の耐久性を確認する
お墓にとって、材質の耐久性の高さは重要な要素です。子孫も含めて代々受け継いでいくものですから、劣化に強い墓石であるのは必須条件といえます。
良い墓石を選ぶポイントは、硬い石を使っているのはもちろんのこと、吸水率が低い石を選ぶことも重要です。長年屋外に設置される墓石は、少しずつ雨水などを吸っていくため、吸水率が高いと水が内部に入りやすく、コケやサビ、ヒビなどが発生する原因になります。
吸水率は石材内部の空孔の少なさ、すなわち石の密度によって決まり、目安としては5%未満なら問題ないと考えて良いでしょう。石の密度は硬度とも関係しており、成分が密になっている石のほうが、硬くて耐久性も高くなります。
故人を感じられるデザインを選ぶ
墓石のデザインを決める際は、より故人らしさを感じさせるものを選ぶのもおすすめです。お墓と聞いて思い浮かべる昔ながらの墓石も広く親しまれていますが、どこか冷たく暗い印象を受ける方も多いのではないでしょうか。
最近では、伝統的なスタイル以外にも、故人を感じられるデザインのお墓も増えています。デザイン墓石といわれ、特別な石材を使用したものや彫刻・外観にこだわったもの、ガラスを使ったお墓など、その種類は本当にさまざまです。
特別なデザインなら、巨大な霊園・墓地のなかでも迷わず、すぐにお墓の場所を見つけられるでしょう。お墓が故人を偲び、思い出に浸れる特別な場所になるよう、墓石を選ぶ際にはデザインにもこだわってみてください。
かかる費用・値段について比較検討する
お墓の種類やデザインを決める際、大きなポイントになるのが費用面の問題です。お墓の平均価格は百万円以上と決して安い買い物ではありません。さらに、故人を想ってできるだけ良い条件でお墓を建てようとすると、どんどん高額になってしまいます。
購入の際には、デザイン等を決める前にあらかじめ予算を決めておき、範囲内で調整していくと安心です。
高級感あふれるデザイン墓は、価格も高額なイメージがありますが、一部を石材、一部をガラスにするなど工夫を加えれば予算も抑えられます。石材店ともよく相談し、どのようなお墓が良いのか、しっかりと比較検討しましょう。
墓地でひときわ目を引く人気のデザイン墓
墓地でもひときわ目を引く存在として人気のデザイン墓石。近年では、最後の贈り物として、故人を想い、イメージした墓石を選ばれる方が増加しています。デザイン墓石にはどのようなものがあるのか、代表的なお墓を紹介します。
宝石のような輝きを放つガラスのお墓
最近、人気が高まっているのがガラスを使った墓石です。著名人のお墓にも利用されるケースも多く、季節や天候による光の加減でさまざまに表情を変える美しさが魅力です。
脆いイメージもあるガラスですが、実は非常に強度が高く、ビジュアルの良さだけでなく、耐久性も兼ね備えています。デザインの自由度も高いのですが、こだわるほど価格も高くなる点には注意しましょう。
ガラス墓石のなかで特におすすめしたいのが、アートガラスを使用したデザイン墓石「光り墓」です。名前の通り、従来の墓石にはない明るさをもち、まるで光を纏ったようなお墓で、好きな色やデザインをオーダー可能。世界に1つしかない故人への「最後のプレゼント」として選択される方が増えています。
文字や花などの彫刻を施したお墓
デザイン墓石では、文字やイラストなどの彫刻にこだわったお墓を選ぶ方も多くなっています。墓石には「○○家之墓」や戒名などを入れるケースが一般的ですが、お墓に刻む文字に決まりはありません。
故人が好きだった文字や言葉、故人へのメッセージなどを自由に刻むことができます。また、文字だけでなく、バラやユリ、桜など、生前に好きだった花を彫るデザインも人気です。
卓越した彫刻技術で知られるファントーニ彫刻のように立体的な彫刻を施したお墓もあり、さらには、バイクや車、本など、故人の趣味に合わせて墓石全体を1つのモニュメントにすることもできます。
お墓選びでは、イメージにとらわれず、ぜひ故人らしく自由なデザインのお墓を創造してみてください。
表情を変える「光り墓」でいつまでも故人を身近に感じよう
遺族にとって大切な家族が眠るお墓は特別であってほしいもの。「光り墓」は、これまでのお墓にはない明るさをもち、故人らしさを永遠の輝きで表現します。
アートガラスはもちろん、彫刻や文字まで自由にデザインできるから、故人にとっても遺族にとっても大切なお墓がきっと見つかります。大切な人への「最後のプレゼント」として、じっくりと時間をかけながら、故人への想いを映した墓碑を一緒に考えていきませんか。
お墓の購入やデザインについてお悩みの方は、アートガラスのサンプルをお送りすることも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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